世界最大の動画プラットフォーム『YouTube』の歴史とその変遷
世界的に人気のある世界最大の動画プラットフォームで、今や知らない人がいない「YouTube」。携帯やパソコンなどから無料で視聴できるため、配信者や視聴者も含め、多くの方がYouTubeを利用しています。
この記事では、YouTubeの歴史について深掘りしていきます。細かく解説していくので、YouTubeの歴史を知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
世界を変えた動画サービス『YouTube』の登場
世界を変えた動画サービスと言われているYouTubeが登場したのが2005年。アメリカ合衆国カリフォルニア州サンブルーノに本社があり、現在はソーシャルメディアとして世界第2位です。
世界中の人々が自身の作った動画をアップロードでき、視聴することができる革命的なプラットフォームです。
YouTubeが登場したことにより、個人が自分のアイデアや才能を発信し、世界中にいる視聴者と繋がれる新たな方法となったのです。
21世紀のメディアとしてのYouTube
YouTubeは21世紀のメディアとして、情報、エンターテインメント、教育、コミュニケーションなど、多岐にわたる役割を果たしています。
そんなYouTubeの日本語版サービスがスタートしたのが2007年です。いままで英語で記載されていた使い方や利用規約などが日本語になり、日本人でも利用しやすくなりました。
そのオープンなプラットフォームは、個人や企業、クリエイターが自由な発想でコンテンツを制作・発信し、世界中の視聴者に届ける場としての役割を果たしています。
動画文化の中心としての役割
YouTubeは、動画コンテンツの消費・共有が日常的なものとなる中で、動画文化の中心的な役割を果たしています。
Vlog、バラエティ・エンタメ系、教育系、ハウツー系、メイクやファッション、トレンドなど、あらゆるジャンルのコンテンツがYouTube上で展開され、多様な興味や関心を持つ人々が集まる場となっています。
2005年:YouTubeの誕生とスタート
YouTubeは2005年2月にジョード・カリム、スティーブ・チェン、チャド・ハーリーの3人により設立されました。設立者の1人であるジョード・カリムは、YouTubeの第一発案者であり、YouTubeで一番最初に動画を投稿した人物でもあります。
https://www.youtube.com/watch?v=jNQXAC9IVRw
YouTubeで一番最初に投稿された動画タイトルは、”Me at the zoo”。2005年4月24日に投稿された動画で、動物園の象の前にいてコメントしている19秒と短い動画ですが、2.8億回再生されています。その後、ベータ版が一般公開されたのが2005年5月です。
2005年10月にYOUTUBE,INCを設立し、同年の2005年11月にセコイア・キャピタルから350万米ドル(日本円にして約5億894万2,853円※執筆時時点)の出資を受けて2005年12月から正式なサービスをスタートしました。
2006年:爆発的な人気とGoogleによる買収
YouTubeはわずか1年で急激に成長。爆発的な人気を獲得し、数々のユーザーが動画をアップロードするようになります。
この時の日本の利用者は、オンラインの消費者視聴行動分析をする会社によると、212万人であり、平均利用時間で考えると米国ユーザーを上回っていました。
その後、Googleによる買収が行われ、YouTubeは更なる成長を遂げることとなりました。この買収により、YouTubeは技術面や広告ネットワークの強化を図り、さらなる展開の道を拓きました。
2007-2009年:プラットフォームの革新と多様化
2007年から2009年は、YouTubeプラットフォームの革命と多様化を実現した年になります。モバイルデバイスへの対応や高画質動画のサポートなど、プラットフォームの革新を推進しました。2007年6月にYouTubeは日本語版サービスを開始し、徐々に広まりをみせています。
この時代では日本で日本国内家庭での利用者が1,000万人を超えており、YouTubeが消費した通信容量は、2000年当時のインターネット全体の通信量に相当したと推定されています。
さらに2007年5月には、一部の動画投稿者限定でパートナーシッププログラムを開始。投稿されたビデオに広告収入が分配されるようになり、対象者は人気制作者限定という決まりがありました。つまり、よく動画が視聴されている「売れっ子」が対象でした。
2007年6月に日本語を合わせて10ヵ国後に対応して、コンテンツの多様性が増しています。
2010-2012年:グローバル展開と広告モデルの確立
YouTubeは世界中で視聴者を獲得し、地域ごとのコンテンツ戦略を展開。さらに、広告モデルを確立し、クリエイターによる収益化の機会を提供しました。
2010年時点でYouTube動画は約140億回以上の再生数を誇っており、市場シェアは約43%。動画投稿をする方がどんどん増えて、2012年時点で毎分60時間分の動画が投稿されていました。ユーザーインターフェースを新しくし、初めてロゴデザインも変更されました。
サイト全体のデザインの見直しも行われ、今までのデザインよりもシンプルかつ、使いやすいデザインに変わりました。
2013-2015年:クリエイターサポートとYouTubeスペースの設立
2013年から2015年にかけて、YouTubeはクリエイターサポートの強化と新たなリソースの提供を通じて、クリエイターコミュニティの成長を促進しました。
2015年2月には、子供向けのアプリである「YouTube kids」がスタート。子供に見せたくない動画を非表示にできるため、親は安心して子供に動画を視聴させることができます。他にも、広告なしで動画が視聴できる「YouTube Red(現YouTube premium)」、「YouTube Music」がリリースされたのもこの年です。
また、YouTubeスペースの設立により、クリエイターたちは高品質なコンテンツ制作の環境を活用する機会を手にしました。YouTubeスペースは、ロンドンやロサンゼルス、日本など10ヵ国にあり、日本では東京に2013年にオープンしています。条件を満たせば無料で使用することができ、さまざまなセットが備わっています。
2016-2018年:視聴の多様化と新サービスの登場
記憶に新しい2016年から2018年は、市長の多様化と新サービスが登場した年です。
視聴者が画面内を自由に操作して視点を変えることができる360度動画の登場により、視聴体験が多様化。ユーザーはより幅広いエンターテインメントを楽しむことができるようになりました。
2015年にリリースされたYouTube RedはYouTube premiumに。YouTube Musicは独立したサブスクとして展開します。
2017年には、テレビ番組のストリーミング配信が可能なYouTube TVのサービスがスタート。さらに同年に、YouTube Gamingチャンネルにスポンサーシップ(現チャンネルメンバーシップ)を追加。翌年には、ゲーミングチャンネル以外にも追加されました。
2019-2021年:ショート動画のブームと継続的な進化
コロナ禍になり自宅待機が増えたことからさらにYouTubeの人気は加速。YouTubeショートが導入され、動画投稿がより簡単になります。
今までの長い動画ではなく、短い動画を投稿するクリエイターが増え、コンテンツの多様化が続き、新たな視聴者層の獲得にも繋がりました。
まとめ
YouTubeは創業以来、世界中の人々に革新的な動画プラットフォームを提供し、個人やクリエイターが自分自身を表現し、多様なアイデアや情報を共有する場としての役割を果たしてきました。
YouTubeの歴史は、技術革新やビジョンの実現を通じて進化してきましたが、その根幹には常にコンテンツとコミュニケーションの重要性があります。
YouTubeは、視聴者が楽しむだけでなく、クリエイターが収益を得る手段としても重要な存在。広告モデルやプレミアムサービス、スポンサーシップなど、収益化の方法が多様化し、クリエイターは継続的に高品質なコンテンツを提供できる環境が整備されています。
YouTubeは社会的な影響も大きく、インフルエンサーやYouTuberが新たな文化やトレンドを創り出すことも。一つの動画が社会的な議論を巻き起こし、時には大きな社会変化を促すこともあるのです。